私の好きな曲

私が以前とても影響を受けた音楽評論家の吉田秀和氏の著作に「私の好きな曲」というものがあり、私もいつか似たような文章を書いてみたいと思っていました。ここではごく簡単に私の好きなクラシック音楽の10曲と次の10曲を挙げます。一応一作曲家一曲にとどめます。クラシック好きの人には結構好みの傾向が伝わるのではないかと思います。


最初の10曲(大体年代順)

1. J. S. Bach 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番

 バッハの中から1曲だけ選ぶなんてむちゃというものなので、私にとって最高の音楽である「シャコンヌ」を含むこの曲を挙げました。本当ならソナタとパルティータ全曲を挙げたいところです。でもいろいろ考え出すときりがないので、とりあえず。

2. Beethoven ピアノソナタ第32番op.111

 ベートーヴェンから1曲も難しいですね。初期の作品なら「クロイツェルソナタ」とか、中期なら「熱情」かな。晩年は弦楽四重奏曲第14番、15番あたりがライバルになります。

3. Schubert ピアノソナタ第20番

 シューベルトは遺作のピアノソナタ3曲がどれも違った表情をもっていてとても好きです。あとは即興曲集とか、ピアノ五重奏曲「ます」とか、さすらいびと幻想曲とか、器楽・室内楽系がやはりしっくりきます。

4. Schumann クライスレリアーナ

 シューマンの曲は聴いていて胸が苦しくなる(いわゆる胸キュン?)ようなところが好きです。ほかに謝肉祭、交響的練習曲、ピアノ協奏曲、「詩人の恋」なども。

5. Brahms 6つのピアノ曲op.118

 ブラームスの作品から1曲というのも苦しい!迷ったのが、クラリネットソナタ第1,2番、ほかにクラリネット五重奏曲、交響曲第4番、ヴァイオリン協奏曲、ドイツ・レクイエム、などなど。3曲の弦楽四重奏曲も好きです。

6. Dvorak 弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」

 この曲を聴くと血が騒ぎます。

7. Bruckner 交響曲第9番

 私にとって最高の交響曲。8番、5番もいいけど。

8. Mahler 交響曲第9番

 マーラーで一曲だけ選ぶのも難しいです。第2, 3, 4番の「子供の角笛」交響曲、第5, 6番、「大地のうた」などもいいし、クック版の第10番も好きです。

9. Faure ピアノ五重奏曲第2番

 フランス系でフォーレだけというのも偏っていますし、もしかしたらラヴェルの方が好きなのかもしれませんが、フォーレの室内楽やレクイエムは特別の存在です。

10. Berg ヴァイオリン協奏曲

 近現代の曲から一曲選ぶとすれば、この曲かなと思うのです。Bergの他の曲は正直そんなにわかるという気はしませんが。


次の10曲

1. Haydn ピアノソナタ第52番変ホ長調

 特にどの曲がというのではないけど、ハイドンが結構好きです。ピアノソナタ、弦楽四重奏、交響曲など。

2. Mozart 弦楽四重奏曲第15番

 モーツァルトを最初の10曲に入れるべきかどうかはとても迷うところです。一曲選ぶのも大変。短調のピアノ曲、ハ短調の大ミサ曲、いくつかのピアノ協奏曲、最後の3つの交響曲、などなどいろいろあるのですが、ちょっとモーツァルトらしくないハイドン・セットと呼ばれる弦楽四重奏曲群が好きです。

3. Chopin 二十四の前奏曲

 ショパンもそれぞれ4曲のバラード、スケルツォや、二つのピアノ協奏曲、ピアノソナタ第2,3番、即興曲、マズルカ、ノクターンときりがないですね。

4. Mendelssohn 交響曲第4番「イタリア」

 メンデルスゾーンの交響曲は結構マイナーな曲も含めてどれも好きです。「夏の夜の夢」やもちろんヴァイリン協奏曲も。

5. Berlioz幻想交響曲

 ベルリオーズはほかにはあんまり知らないのですが、この曲はすごいですね。雄弁というか色彩的というか。

6. Tchaikovsky交響曲第6番「悲愴」

 チャイコフスキーは今でこそあんまり聴きませんが、高校生の頃、夢中になって聴いたものでした。

7. Debussyシランクス

 これフルート独奏用の短い曲です。これでドビュッシーを代表させようとするのは乱暴かもしれませんが、晩年のピアノ曲なんかはちょっと難しい気もするので。

8. Ravel左手のためのピアノ協奏曲

 ラヴェルも「夜のガスパール」、ト長調のピアノ協奏曲、「ダフニスとクロエ」など名曲がいっぱいあって、一曲選ぶのに迷ってしまいます。

9. Sibeliusヴァイオイン協奏曲

 一応この曲が一番好きなヴァイオリン協奏曲ということになっております。晩年の交響曲なんかも結構好きですが、それほどよく聴きこんだわけではありません。

10. R. Strauss四つの最後の歌

 この曲も正直言って、ちょっと難しい気がしますが、この作曲家からどれか一曲と言われれば、やっぱりこれかなあ。オペラはあんまり知りませんし。

Copyright: Kenta Nakai
Last updated: September 30, 2001